最適ラミネーターの選び方

大切な書類をいつまでもキレイに保存するラミネート加工。ラミネーターを選ぶときに知っておきたい基礎知識や選び方のポイントをご紹介いたします。

ラミネーターとは?

ラミネーターとは、保護したい書類などにフィルムを貼る加工をする機械です。工業用や印刷用に使われるローラー式の大きなものから、事業所や店舗などで使われる、シート状のフィルムを使って加工する小型の機械(いわゆるパウチラミネーター)まで、さまざまな種類がありますが、ここではパウチラミネーターについてお話しします。

ラミネーターの使い方

ラミネーターは、大まかに言うとヒーターとローラーから成っています。ラミネート加工は、2枚のラミネートフィルムの間に原稿を挟み、ヒーターで温めてラミネートフィルムの糊を溶かし、ローラーで圧をかけながら接着します。機種により、ラミネートフィルムや原稿の厚さに応じて、温度や速度などを調節することができるものもあります。

専用のラミネートフィルムで原稿を挟みます。
フィルムの綴じた側からラミネーターに通します。
取り出し口から出てくればラミネート加工完成です。

ラミネーターの利点

傷、破れ、折れをガード!

繰り返し触れるカードや診察券、回覧物を汚れや折れから守ります。

水をガード!

屋外掲示物を雨から守ります。飲食店ではメニューにコーヒーやお茶がこぼれても安心です。

文字や絵柄がクッキリ!

プリントアウトの色彩もより鮮やかに。POPやカタログの販促効果がぐんとアップします。

セキュリティにも

ビデオショップなど、さまざまな会員証の文書改ざんや偽造防止にも役立ちます。

こんな用途に

お店で
ご家庭で
学校で
お店で

ラミネーター選びのポイント

ラミネーター選びにはいくつかのポイントがあります。用途やお使いのシーンに合わせて最適なものを選びましょう。

ローラーの本数

パウチラミネーターには、6本ローラー、4本ローラー、2本ローラーなどのタイプがあります。ローラーの本数が多い方が、透明度が高く反りや波打ちがないキレイな仕上がりになりますが、機械本体のサイズが大きくなり、価格も高くなります。

2本ローラー

上下のヒートローラー2本のみのタイプです。加熱・圧着・フィルム送りを同時に行ないます。軽量・コンパクトで比較的安価なので、エントリーモデルとしてもおすすめです。
大きなサイズをラミネートすると、反ってしまうことがあるので、カードサイズなど小さなものの加工に向いています。

4本ローラー

手前2本のヒートローラーで加熱して、後部2本のプルローラーで熱を冷まして変形を防ぐと同時にさらに圧着。
2本ローラータイプよりは反りが抑えられキレイに仕上がります。迷った場合にはこのタイプがおすすめです。

6本ローラー

手前2本のプルローラーでフィルムと原稿を密着させながら送り、中2本のヒートローラーで加熱します。さらに後ろの2本のプルローラーで圧着することにより、反りや圧着不足を防いで美しい仕上がりに。厚いラミネートフィルムや、連続で大量に加工する場合にも向いています。

加工サイズ

ラミネーターには、A3サイズ対応機、A4サイズ対応機、カードサイズ対応機などの種類があります。オフィス用のラミネーターはA3サイズ対応のものが一般的です。基本的に大は小を兼ねますので、A3サイズ対応機で名刺などの小さいものを加工することは可能です。また、小さいものを複数加工するのであれば、横に並べてラミネートしたり、大きなフィルムに並べて挟んでラミネート加工後切り離したりすれば作業時間の短縮につながります。

ウォームアップ時間

ラミネート加工は、ヒーター温度が十分に上がっていないとキレイに加工することができません。電源を入れてから、加工ができる温度に温まるまでの時間をウォームアップ時間といいます。ウォームアップ時間は30秒程度から数分かかるものまで、機種によって差があります。お急ぎや時間のないときが多い場合は、ウォームアップ時間が短い機種がおすすめです。反面ウォームアップが早いラミネーターは、立ち上がり後温度が安定するまでに若干仕上がりに影響が出る場合があります。どのようなものをラミネートするのか、イメージして選ぶといいでしょう。

加工時間(加工速度)

A4サイズをラミネートできる時間は、機種によってだいたい10数秒から1分ぐらいになります。大量にラミネートする場合は、加工が全て終わるまでにかかる時間にかなり差が出てしまいます。また、会員証の発行など、お客様を待たせて加工する場合には加工時間が短いものを選ぶとよいでしょう。
ウォームアップ時間と合わせて、加工にどれぐらい時間がかかるのかを把握しておきましょう。

対応フィルム厚とラミネート厚(加工厚)

ラミネート加工には、専用のラミネートフィルムを使用しますが、このラミネートフィルムには75ミクロン、100ミクロン、150ミクロン、250ミクロンなど厚さの種類があり、ラミネーターの機種によって加工できる厚さに制限があります。
厚いフィルムで加工すれば、加工したものが反りにくく丈夫になりますが、加工時により高い熱量が必要になりますので、対応できる範囲が広いラミネーターほど価格が高くなる傾向があります。使いたいラミネートフィルムが決まっている場合は、対応フィルム厚をよく確認しておきましょう。

また、ラミネート加工では、ラミネートフィルムで原稿の上下を挟むため、全体の厚さを考える必要があります。フィルムは上下2枚になるのでラミネートフィルム2枚分の厚さと原稿の厚さを合わせたものが加工厚ということになります。厚いラミネートフィルムを使いたい場合や、厚紙などを加工したい場合には、最大ラミネート厚にも気を付ける必要があります。

フィルム詰まり対策

ラミネートの故障で一番多いのがフィルム詰まりです。原因の多くはラミネートフィルムを逆(開いている方)から入れてしまったり、フィルムの余白が多すぎてローラーに巻き込んでしまうことによるものですが、万一ローラーがフィルムを巻き込んでしまった場合、自動的に逆回転したり(オートリバース)、ボタンを押して逆回転させたり(マニュアルリバース)、ローラーをフリーにして取り出せたり(リリースレバー)する機能が付いていると安心です。
一度巻き込んでしまうと、自分で取り出すことは困難です。フィルム詰まり対策としてどのような機能が付いているのかもよく確認しておきましょう。